『フレーム』
家の近くに公園があります。街中でよくある子どもが遊ぶ小さな公園ではなく、かなり大きな物です。
防災公園と銘打った市が管轄する場所。有事の際にはそこを基点に民間人が集い災害に備えるために作られた場所です。
学生時代は体育会系の部活でならした体ですが社会人になり、運動もとんとご無沙汰の自分です。
公園にはランニングコースがあり、休日にはジョギングをする方が多く集まってきます。
ジョギングも好きな自分ですがサイクリングもします。趣味の一つとしてスポーツサイクルに乗るのが好きです。
その自転車は既成の物ではありません。中古や新古品のパーツを手に入れ自転車を組み立てる完全にカスタムメイドのオリジナルです。
ブレーキ、ペダル、チェーン、ライト、等々。自転車には様々なパーツがあります。それぞれに正規品があり、また純正の物でなくとも使う事ができるパーツを安く仕入れては少しずつ自分好みのロードバイクを組み立てます。少し大きな工作とも言える、ひたすら地味な作業の趣味です。
その自転車。ベースはやはり本体とも言えるフレームです。全てのパーツがそこに集まる母体となる物です。
その素材も様々で、鉄であるスティール、また材質が軽く、また錆びにくいステンレス。そして軽量且つ剛性力にも秀でたカーボンフレーム。
カーボンは路面の細かな衝撃や振動も吸収する特性を持つ素材です。自転車パーツ専門に扱う店を周り続け、値段交渉の末そのカーボンフレームを手に入れた時は本当に嬉しかったです。
少しずつ集めた他の全てのパーツを組み入れ、時間をかけて作り上げた世界でたった一つのロードバイクが完成する事が本当に嬉しかったです。
全体の骨子とも言えるフレーム。それは何もサイクリングや他の乗り物だけに言える物ではないと思います。全てのパーツを収める骨格。基礎となる母体。ベース。中軸。
それが無ければ他のパーツは可動しない『活きない』と自分は思います。基盤であるベースがあってこそ、それに繋がる手足の動きが連動し、そこで初めて車体として前に進めます。
それ故に大きな役割を持つ大切なメインパーツだと思います。全てのベースである存在。それは人にとっても、或いはなんらかの集団、コミュニティにとっても言える事かもしれません。
どれほどまでに優秀な手足があったとしも、母体である核がなければそれは活かされません。動く事も出来ませんし、必然的に結果も出せません。
組み上げたロードバイクにまたがり次の休日はサイクリングを楽しみたいと思います。青い空のその下で。